映画だ〜い好き        文は福原まゆみ


尾形映画プロデューサーの友人が仕切る映画制作会社で働く映画好き女史が
エッセーを連載してくれてます。
映画女史、映画オタク仲間の会、やっぱり楽しかったようです。




映画と音楽の夕べ


最近、映画の同好会によく呼んでいただくようになってきた。時間とお金がかかるの

でお断りすることが多いのだけど、ストレスが溜まっていることだし、昔懐かしい映

画と音楽に癒されようと、とある集会に参加させていただいた。テーマは「映画メモ

リアル」。〇〇周年を集めて、ワイワイ話し歌うというものだった。


まずは没後50年のジュディ・ガーランド。音楽の演奏は公開から80年の『オズの

魔法使い』だ。主題歌の「虹の彼方に」を、プロの歌に合わせて参加者も口ずさむ。

Somewhere over the rainbow〜と、ご機嫌よろしく歌えば、みんなニコニコ笑顔畑

が広がった。


次は生誕100年、没後10年のジェニファー・ジョーンズ。曲は代表作の『慕情』だ。

蝶々夫人をパクったといわれるこの曲は、沢山のアーティストがカバーしており、ナ

ット・キング・コール派や、アンディ・ウイリアムズ派などに分かれる。それにして

も昔から不思議だったのはその歌詞だ。Love is a many splendored thing…って、単

数と複数が混じってる。後になってわかったことだが、many とsplendoredの間にハ

イフンが入ることで、単数となる。なるほど!


そして三人目は生誕90年のオードリー・ヘップバーンだ。『ローマの休日』はメイン

テーマらしきものがなく、やはり音楽は何と言っても『ティファニーで朝食を』から

「ムーンリヴァー」。『マイフェア・レディ』では吹き替えだったけど、これは自分

で歌っていたのかと話題になった。自信を持って言おう。絶対にあれはオードリー本

人の歌声だ。私にはわかるぞ。そうこうするうちに、突然オードリーの作品で一番好

きなものを一人一人挙げ始めた。オードリー総選挙だ! 一位はやはり『ローマの休日』

で、『緑の館』、『尼僧物語』なども挙がってくる。新参者の私は大人しくしていた

けど、心の中で『麗しのサブリナ』があるぞ〜と叫んでいた。あぁ楽しい。


女優に続き、生誕120年のルネ・クレール、没後20年のスタンリー・キューブリック

と続き、最後は生誕120年のアルフレッド・ヒッチコック。締めくくりの音楽は、

勿論『知りすぎていた男』から「ケ・セラ・セラ」。私はこれをずっとフランス語だ

と思っていたけど、どうも違うらしい。スペイン語でもなく、結局アメリカでしか通

用しないスペイン語もどき、と言うことらしい。映画の蘊蓄ってたまらない。吾/地井武男/宮本信子


戻る