映画だ〜い好き        文は福原まゆみ


尾形映画プロデューサーの友人が仕切る映画制作会社で働く映画好き女史が
エッセーを連載してくれてます。
映画女史はこのベテラン・アニメーター監督をリスペクトしてるようです。




バリー・クック監督


ひょんなことから関わるようになった短編映画祭に、バリー・クック監督が参加し

てくださることになった。クック監督は、『リトル・マーメイド』、『アラジン』、

『美女と野獣』などでアニメ効果を担当・指揮してきたベテラン・アニメーター。

『ムーラン』、『アーサー・クリスマスの大冒険』、『ウォーキング with ダイナソ

ー』では共同監督を務めている。


映画祭にお迎えするに当たって、クック監督作品を観ておかなければと思い、未見

だった『アーサー・クリスマスの大冒険』を選んだ。

あまりヒットしなかったようだから、全く期待せずに見たのだけど(失礼!)、これが

結構面白い。話は極めてシンプルで、ある子のプレゼントが配達網から漏れてしま

い、慌てて届けようとするアーサー(サンタの次男)の奮闘記だ。子ども向けのホン

ワカしたアニメを想像していたけど、序盤から結構なアクションが展開する。一晩

でどうやって世界中の子どもたちにプレゼントを届けるのか見せてくれるのだけど、

今の時代だからトナカイやソリなんて使わない(いや、後で使う)。巨大なハイテク

宇宙船からエージェントたちがスルーっと蜘蛛の如く地上に着地し、1軒あたり

18秒(だったかな?)でプレゼントを届ける。まるで『ミッション・インポッシブル』

のようだ。これは3Dで観たかった!

一晩という時間の縛りの中で起こる様々なトラブルが、見る者にスリルを与え画面

に引き込む。更にサンタ一家の極めて人間臭いキャラクターたち(引退したくない

サンタとその妻、マッチョな長男、ダメダメな弟アーサー、おじいサンタ)が、ツ

ルピカなSF世界に良くも悪くも現実味を加える。クリスマスに家族で楽しめるアニ

メだから、ラストはもちろん家族の絆の感動要素を入れて、ミッション・コンプリ

ート。

古くからのサンタクロース伝説を現代に持ってくるとどうなるか。発想自体は驚く

ほどでもないけれど、脚本や演出の手腕で上手く料理したものだ。

テクノロジーは進めど、サンタを信じる子どもの純粋さは、いつの時代も変わらな

いなぁ。


『アーサー・クリスマスの大冒険』
監督:サラ・スミス
共同監督:バリー・クック
声の出演 : ジェームス・マカヴォイ/ビル・ナイ
2011年/アメリカ/101分/3D/カラー





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