映画だ〜い好き        文は福原まゆみ


尾形映画プロデューサーの友人が仕切る映画制作会社で働く映画好き女史が
エッセーを連載してくれてます。
映画女史と気の合った友人監督の短編が世界じゅうで大好評に。




短編映画『Aida』世界を回る


友人の映画監督クリス・グラハムが、2019年の春に東京で短編映画を作った。タイトルは

『Aida』。“アイーダ”ではなく”間”だ。彼は映画制作を極力単純化し、「大変だから」

などと作らない言い訳をしないで、とにかく作る。資金調達も映画祭への出品も含めて映

画作りのうちだと言い、全部自分でやっていた。最強のインディペンデント・フィルムメ

ーカーだ。


彼と知り合ったのは、2019年に東京で開催した小さな映画祭(私がディレクターを務める)

がきっかけだった。短編映画祭だけど、彼の長編作品を特別招待上映し、帰りの電車の中

で御礼と感想を話したところ、たった20分かそこらの電車の中、映画談義に花が咲いた。

クリスの方から、前年の東京国際映画祭で何が一番良かったかと聞かれ、私が「観てない

けど、きっとアルフォンソ・キュアロン監督の『ローマ』」と答えた。Netflix作品だから、

東京国際映画祭を逃すと、劇場のスクリーンでは観られない話題作だ。実は彼が一番注目

していながらチケットが早々に売り切れ、悔しくも見逃してしまったのが『ローマ』だっ

たそうだ。この話をしたことで一つポンと蕾がはじけ、次に「テレンス・マリックをどう

思う?」、でまた一つポン。「カメラワークが素晴らしい!」、「アンゲロプロスは?」、

「長回しがいいねぇ」…と、弾ける弾ける、ポンポンポン。映画のお花畑が広がった。気

の合う仲間を得て、将来の映画作りの夢が膨らむ。


暫くして彼が帰国しなければならなくなった時、一日だけ撮影を手伝ってくれないかと連

絡が入った。クリスの撮影現場を見たいから、オッケーと即答。とても楽しい現場だった。

今この映画は、いくつかの国の映画祭から正式招待を受けている。ポルトガルのリスボン

では、功労賞と主演女優賞(キコ・ウィルソン)の二冠を獲得した。朗報はまだこれからも

続くだろう。楽しみだなぁ。実は、私の第一回出演作品でもある。


『Aida』
2019年/アメリカ/9分/カラー
監督・脚本・撮影/クリス・グラハム
出演/キコ・ウィルソン、メグ・ウィルソン、福原まゆみ





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