思いつくまま、気の向くまま 文は上一朝(しゃんかずとも)
シャンせんせいのガンリキエッセー。
自由人シャンせんせー、すぱっ、と小気味よく真実を言っちゃってます。
おそまつな首相談話
8月14日、国民待望の安倍首相の戦後70年談話が発表された。
そして、その談話は安倍政治に反対する人たちと、安倍政治を支持する人たち双方
の期待を裏切った。
侵略、植民地支配、痛切な反省、心からのおわび、という言葉がはいっているが歴
代内閣の談話を引き継ぐという表現であって、全体に曖昧な表現でつづられた談話
は安倍首相個人の素直な言葉が感じられないものになっている。その原因は談話執
筆にあたって首相個人の言葉で語らず、首相のブレーン「二十一世紀懇談会」の結
論をコピペしただけだからだろう。
この談話は日本国民にむけたものではなく国外を意識して書いたもののようだ。英
文表記も歴代首相の談話やアメリカ連邦議会での演説とおなじ言葉をつかっている。
もしかするとこの談話は英語で書かれ、それを日本語に翻訳したのかもしれない。
そうであれば日本語としては情味に欠ける言葉が日本人の心を捉えなかったわけが
わかる。
この談話は中国と韓国に向けたものであって、「反省と謝罪」をお前さんたちがう
るさく言うからいれておいた。それだけではしゃくにさわるので自説積極的平和主
義を語る、という程度のものである。
自民党の一部に「この内容なら(談話を)出さなければよかった」という意見があ
るのももっともなことだ。
安倍首相が二十一世紀懇談会までつくり心血をそそいで書き上げたであろう70年
談話も、「安倍首相の談話と対照的」と各国に評価された天皇の「深い反省」とい
う言葉の前にふきとんでしまった。
一国の首相の談話が、これほど軽くおそまつであるということはなんとも情けない。