10/21のしゅちょう 文は田島薫
(他人の都合について)
エルビス・プレスリーの元住居を広げた彼の博物館、グレースランドには、後期のメタボ
の肖像の前に、太ってることを批判しないでくれ、人にはそれぞれの都合ってもんがある
のだ、とかなんとかって表示がされてるそうなんだけど、確かに、人はだれでもたいてい
自分から見た他人の気に入らないところを見つけちゃ、口に出したり、または口に出さな
いんだけど心ん中で批判する傾向があるようだ。
自分にも少々問題があるかもしれないけど、あいつほど問題はないからよかった、などと
他人を批判するわりに、あいつが自分を批判するのは誤解だ、などと感じたり。
それは自分のことは自分であれこれ時間をかけて自分の都合のいいように解釈できるのに
くらべ、これが他人のことになると面倒だし、直感で、あ〜、だめだこいつは、って、よ
く考えもせずに決めつけることが多いからなんだろう。
先日、「ほぼ日刊イトイ新聞」読んでて思わず「やさしさの感動」ってもんにに包まれた
経験をしたんだけど、山田ズーニーさん、ってコミュニケーションの仕方の講師が、生徒
30人に、今まで人生で気にかかってる人たった1人に手紙を書く、って課題を出したと
ころ、それぞれが4時間ぐらいかけてそれをやり、全員の手紙が感動的だった、って。そ
れだけ時間与えられ1人の人のことを考えると、相手の立場まで深く考えをめぐらすこと
になるためだろう。例えば母親の亡くなった義母をずっと冷たい目で見てた女性は、考え
抜いた末、相手の気持ちよりも自分の気持ちの解放を優先してしまいそうな、あやまるこ
と、は、やめにして、自分も子供たちも元気で楽しく暮らしてます、ってだけを伝えるこ
とにした、って。
ここで私の下手な要約で紹介しただけでは十分その内容が伝わらないと思うんで、是非、
原文にアクセスしてみてください。
人のエネルギーにも容量があるだろうし、なんでも手当りしだい他人の都合ばかり考えて
生活するるわけにはいかないだろうけど、他人の理解、ってもんはそのようにエネルギー
を使わないとわからないもんだ、ってことは忘れないようにしたいもんなのだ。
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