いとこの足でお見舞いふたたび
親父の意識が朦朧で、すぐに寝てしまうもんでリハビリが進まず、だめか〜?って
ほとんどあきらめながら、鼻からチューブも取ってもらって、点滴だけにしたら、
おいおい、って焦ったのか、妙に親父の意識がはっきりしだした。
療養病棟へ移動になり、リハビリもきっちり再開してもらうことにした、そんな時
再びの連休の日曜に、約束していたいとこがまた来てくれ、おふくろと家人と一緒
にまた彼の車で引っ越したばかりの病棟へ見舞いに行った。
行くとすぐに目をさまし、前なら来た報告を聞いてしばらくするとうつらうつらし
てしまっていたのが、われわれが来てから帰るまでの1時間以上の間、ずっと目を
開けたまま、発声がおぼろながら、われわれの出すいろいろな問答をこなした。
主治医から、食べるためのリハビリを試したんだが成果がなく、もう老衰で回復は
望めないからだんだん弱って死ぬのを待つだけ、って断言されてたんだけど、親父
の食べたい意欲などを見てると、がんばれば回復できるんじゃないか、って思え、
私もさかんに耳元で励ましたりしたし、本人の自覚も出て来たようだ。で、親父が
どこまで回復できるのかは全然わからないんだけど、生命力の燃え尽きるまでは、
やれることはやればいいんじゃないかと。
親父に帰ることを告げ、4人で帰り道、おふくろ主導で決めた食堂へ寄ることにし
て、そこへ着いたところ、前回は目指したうなぎやが閉店してたこともあり、開い
てるかどうかおふくろも心配だったのが、店前にたくさんの車が止まってるし入り
口あたりには喪服着た人も立ってる、や〜開いててよかった、って入ろうとすると、
入り口に、“本日宴会により貸しきり、休業します”って。
ありゃま、またか、じゃ、あそこでいいや、ってまだおふくろも入ったことのない、
って言う、寿司とそば、をやってるちょっと道を戻った別の店へ。
カウンターの他に座敷き席の部屋が二つ三つあり、まだ昼時なのに、客はわれわれ
以外ひと組だけ。いとこは寿司とそばのサービスランチ、おふくろは鉄火巻、家人
と私はおろしそば、を注文。手打ちのそばがすごく固かったけど、前回の店よりは
旨かったんで、おふくろにそう言うと、勘定払う時、いろんな店で食べたけどここ
のそばが一番旨かった、って私が言ってた、って伝えたようだ。飲食店経営の方々
はくれぐれも、お世辞には気を許さないように気をつけていただきたい。 |
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