8/16のねこさん        文は田島薫

ニケが待ってる


小雨がほぼ上がった朝、ベランダで私が日課のスクワットやってると、庭

のヤマモモの木の下にニケがいて、ちらっとこっちを見たんで、いつかの

ように、ベランダに小走りして上がって来るかな、とも思ったけど、その

気配はなくて、またどっか違う方に目を向けるともなく向けながらどこか

寂し気に立ちすくんでる。


みんなどっかへ遊びに行っちゃったよ〜だけど、ぼくはあんまし行きたい

とこはないんだよね。なにかうんまいもんくれそ〜なとこへはどんどん行

きたい気持はあるんだけど、一応ごはんの時間は終わっちゃったし、後の

楽しみはきれ〜なおね〜さんになでてもらうぐらいだから、このへんでな

んとなくおね〜さんが通るのを待ってかな、あ、あっちの上であの人がこ

っち見てるね〜、いかん、そっち見ちゃうと、おもしろくもないのに行っ

てやらないといけないよ〜な気分になっちゃうから、見ない見ない。


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