5/3のねこさん 文は田島薫
パネの避難
きのうの午後は急に曇ってきたかと思うと風や雷の音もしたもんで、パネが
どっかへ逃げちゃったようだ、って家人が探しまわってる。前日ぐらいに物
置きの戸を内側からカリカリしてたんで家人が開けるとパネが出て来た、っ
て言ってたんだけど、今度は中見てもいなかったんで、戸を閉めておいた、
って言ってるんで、念のため私が見に行って、戸の内側にあった段ボールを
よけてみると、奥のスチールの棚の一番下のすき間にパネが伏せていてこっ
ちを見てるんで、出て来な、って何度か言って足先をさわったりしても、が
んとして、そこを動かなかった。
いやいや、びっくりしたね〜、あぶない音がしたね〜、あぶないから、ここ
に逃げて来たんだよね、ここなら、大丈夫そうだからね。まだ、あの音がし
そ〜だから、もっとここでじっとしてて、も〜、ど〜かんがえても大丈夫、
って時になってから出て行くことにすっかね、戸が閉ってるけど、つめでか
りかりやってるとおばさんが開けてくれるから大丈夫。あり?かりかりやっ
てないのに戸が開いて、おばさんじゃない方がいるね〜、なんだって、出ろ、
ってか、なに言ってやがんだ、こっちにはっこっちの都合、ってもんがある
んだ、出ろ、って言われて、はいわかりました、って出るわきゃないだろが、
とっとと、戸閉めてあっち行け、こんにゃろめ。