10/4のねこさん        文は田島薫

お気に入りハウス


小学生女子のひとりが段ボール箱とカッター貸して、って言うので渡す

と庭でなにやら作ってて、しばらくして、できた、って言うんで見ると、

事務所の前に小さなドアがついた密閉箱があり、ねこさんの家だ、って。

翌日ぐらいに見るとパネが入って寝てた。ねこさんたちはみんなで気に

入ったようで、なんとなく入れ代わりだれかが入ってる模様。子どもた

ちが来るとその前でなにやら言いながら中にはねこさん引っぱりだそう

とする子がいて、やめなよ、って言う子もいる。


お、い〜ね、ここ中入ると外からはぼくが見えなさそうだよね、これで

うるさい子どもたちが来ても逃げなくちゃ、って慌てないで静かに昼寝

できそ〜だよね。ほら、子どもたちが来たけど、だいじょうぶだよね。

お、こっちまで来たね、来たけどだいじょうぶだよね。なんか言ってる

けどだいじょうぶだよね。あれ?ぼくの足つかまれたね、引っ張ってる

のがいるね〜、おいおい、やめつくれっ。


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