8/3のねこさん 文は田島薫
ニケは夜回り
暑い日が続くと、昼間はねこさんたちみんな涼しい場所を探して昼寝し
てるもんで、夜になる頃にはもう寝てないでどっかへ遊びに出かけちゃ
うようだから、夜遅く玄関のドアを開けてみても、キャットハウスには
むんもいないことが多いんだけど、ねこさんたちの中で一番私や家人の
そばを離れたがらないニケはいつも家の近くを見回りしてて、たいてい
そんな時も、すぐ気がついてやって来ては私に何か言う。
いやいや、みんなどっか遊びに行っちゃったよ〜だね、でも、ぼくはこ
こにいなくっちゃいけないんだよね。だって、ぼくらがだれもいない時
によそものが来て、ぼくらのごはんを食っちゃうかもしんないじゃん。
そんで、ぼくらのベッドで寝ちゃうかもしんないじゃん。そ〜すっと、
ぼくらの寝る場所も食うもんもなくなっちゃうじゃん。そ〜ゆ〜ことに
なりそうな前に、だれか来た時、ぼくが、こらっ、って言ってやんない
といけないじゃん。いない時にだれかがくつろいじゃってて、そこへ、
こらっ、って言っても、知らないよ、って言われちゃうじゃん。あ、こ
この家の人が出て来たね、とととと、あのね、異常ありません!