11/11のねこさん 文は田島薫
ベランダにパネとニケ
毎朝早くベランダに来てなんか言ってるのはニケなんだけど、このごろはニ
ケが帰った後、パネが来て座ってこっちを見てることが多い。
きのうの朝もいつのまにかパネが来てたもんで、家人が体をマッサージして
やってると、気持ちよさそうに寝転んで伸びてるんだけど、私が洗面所へ行
ってから戻ると、パネだけだった場所に同じ姿勢でニケも寝転んでた。
ニケは仲間のだれかがかまわれてるのを見つけると、ぼくもかまってくれ〜、
ってよ〜にすぐに、だれかの手前に入り込んで来るのだ。
で、家人にほらほらはいはい、などと言われながらふたりでいっしょにマッ
サージされてる。
さ〜て、ほらほら、ぼくが来ましたよ〜、おばさん、いないのかな〜、また
毛をこすったりしてくれてもい〜んですよ〜、お、おばさんが来たね〜、毛
こすりますか〜、ほら、ごろりん、っとこんな感じに横んなると、やりやす
いでしょ、ぼく、って気がきくでしょ、そ〜そ〜、い〜ねい〜ね、気持ちい
〜ね、ごろごろ、つっちゃってるね、ぼくのあごが、つってると、あれ〜、
またあいつが来たね〜、お、ぼくの前で寝転んだね〜、ぼくが先なんだから、
あっち行け、っつってやろ〜か、って思ったけど、ま、いっか、ちょっと、
うっと〜し〜けど、こいつもさびし〜んだろ〜し、ゆるす。