4/9のねこさん        文は田島薫

うぉーきんぐねこさん


きのうのおそい夕暮れ時、家人と2番目の最寄り駅から家への道を歩いてて、少しな

だらかな下り坂の路地へまがったら、向こうから道のはじっこを小太りの白っぽいね

こさんがゆっくり歩いて来るのが見えた。われわれは、お、ねこさん、よ、よ、って、

声かけ続けたんだけど、ねこさん、われわれのいるのが全然目に入らないしなんにも

聞こえないかのように、まっすぐ前を向いたまま歩調も変えずにわれわれのわきを通

り過ぎ一度もふり返らないまま角をまがり歩き去って行った。


さ〜て、ごはんも食ったし、こ〜やって、ウォーキングすんのが腹ごなしにいいんだ

よな、ダイエットにもなるし、ウォーキングしながらあのこんとこ行ってみっかな、

うんどーにもなるしあのこにも会える、いやいや、われながらグッジョブ。ん〜?な

んだか前からめんど〜そ〜なのがふたり来るね〜、目合わさない方がい〜ね、目合わ

すとなんだかんだからまれて、ぼくのこの計画がだめんなっちゃうからな〜、なんか

言ってるよ〜だけど、ぼくには聞こえない聞こえない見えない見えない、ぼくはウォ

ーキング、いちにいちにいちにいちに、かっくい〜、いちにいちにいちにいちに。


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