10/22のねこさん 文は田島薫
パネが坂を下りて来た
ちゃっかり屋のニケはもうほとんどの時間玄関前のキャッツハウスで寝てて、私や家
人が出て行くたんびに寄って来てかまってくれ、て言うんだけど、むんはそんな時に
もう一個のキャッツハウス2(家人が作ってやった)にいても、なんだか1メートルぐ
らいは逃げてからこっち見てる。一番しっかりもののパネはそういったとこにいるの
が好きじゃないらしく、たいてい家の前の坂の中腹のだれかの小さな家庭菜園の枯れ
草の上で寝てて、家人が坂上がって行くと、すぐに立ち上がり寄って来るそうなんで、
私もそうしてみたら、こっち見てるものの、なかなか立ち上がらなかったんで、しゃ
がんでみたら、やっと立ち上がってこっちへ来たんで、首や背中をもんでやったら、
腹を見せたんでそこももんでやってから、坂を下って戻ってから事務所から庭の方を
見ると、パネがゆっくり歩いて来て立ち止まり、道路からこっちを見てから玄関の方
へ歩いて来たんで、ドアの外出てまたちょんちょんとちょっとだけ背中をもんでやっ
てからすぐにドアの中へ入った。
いやいや、ここは陽も当るし居心地い〜んだよな〜、けっこ〜、子供や大人が通って
ぼくを見て呼んだりするのがちょっとうるさいんだけど、ま、ちょっとは相手してや
るのもここいらの人たちとなかよくして、うんまいもんもらったりするためにはい〜
ことなんじゃね〜の、ってことで、サービスしちゃってるんだけどね、あ、下の家の
やさし〜おばさんじゃない方のが上がって来たね〜、こいつはわり〜やつじゃないん
だけど、ごはんくれるのはおばさんの方だし、なんの用かな?あ、こっち見てんね〜、
あリ?しゃがんじゃったよ、なんだなんだ、ぼくをなでたい、ってか、しょ〜がない
ね〜、じゃ、ちょっとだけだぞ、はいはい、なでなさい、お、けっこ〜、い〜ね〜、
マッサージ、うまいね〜、気に入った、じゃ、もっとこっちもやれっ、こっちもだぞ、
あり?も〜行っちゃうの〜、まだ、やってもらいたいとこあんだけどな〜、しょ〜が
ないね〜、仕事がちゅ〜とはんぱで、ちょっと注意しに行ってみっか。