7/24のねこさん        文は田島薫

まつりばやし


きのう、小雨が上がった午後、最寄り駅前の道路でやってるよさこい踊りを観に行こう

と家人と付近の路地を歩いてると、もうかなり騒がしいロック調の音頭が響いてる中、

もう人が住んでないらしい家のフェンスの向こう、植え込みをバックにした3帖ほどの

横長のコンクリのスペースに小さな黒っぽいねこさんが寝転んでた。家人は気づかなか

ったようなんで教えて、ふたりで、よ、とかいいながら、ながめたんだけど、ねこさん、

不審そうにこっちをながめてる、ただ見合っててもしょーがないんで、じゃ、って。


いやいや、あちーし、あたりが騒がしーし、まいったね、やっとこのちょっと涼し〜、

とこ見っけて、まだ、なんだかうるさい音は聞こえるけど、さっきの場所よりはましで、

ま、なんとか、静かに昼寝でもすっか、って思ってるてーと、前にだれかが立ってこっ

ち見てるね〜、なんなんだよ、なんかおいしーもんでもくれる、ってゆーんならしょー

がないけど、なんにも手に持ってないみたいだし、ただ、そばで、なんだかんだ言って

騒ぐだけだったら、そいのはぼかーいらないんだかんね、どーなんだ、そこんとこは、

えー? ほ〜ら、ただ見てるだけじゃん、さー、行った行った、んにゃろー。


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