3/7のねこさん 文は田島薫
ど〜したもんか
先週末の午後、家人と自転車で食料の買い出しに行き、それのハシゴで遠いマーケット
まで行った帰りの路地。先のスペイン風の明るい色の建売アパートが並ぶあたりから小
さめのねこさんが道を横断してるのが見えた。そばへ行き自転車を止めねこさんが行っ
た方をふたりでながめると、陽の当る駐車スペースの車の向こうのわきでねこさんが立
ち止まって、こっちと目が合った。われわれが、よ、とか、お、とか言いながら手を上
げてあいさつしてるのを不思議そ〜にじっと見てる。やがて、すっと車の後ろをまわっ
て見えなくなったんで、われわれはペダルをこいだ。20メートルぐらい行ってから念の
ためふり返ってみたら、車のかげから道側に首だけ出したねこさんこっち見送ってた。
いやいや、暖ったかくて気持い〜日だよな、こ〜、歩きまわってるのもい〜し、どっか
で昼寝すんのもい〜し、とりあえず、あっち行ってみてどーすっかきめっかな、ん〜ん、
ど〜したもんか、つってると、いつのまにか、怪し〜2人組がぼくを見てなんか言って
るよ〜だね、あんだって?ぼくと遊びたい、ってか?ん〜ん、急に知らない人に声かけ
られちゃって、はい、そ〜ですか、じゃ、遊びましょ〜、ってわけにはいかないよな、
ま、あんましわり〜人には見えないんだけど、急に足つかまれてふりまわされたりされ
ないとも言い切れないわけだし、ここはとりあえずこっちへ隠れてから慎重によく考え
てみっか、ん〜ん、ど〜したもんかな〜、ま、ちょっとそば、行ってみてから、やばそ
〜だったら、さっと逃げればい〜か、あり?も〜あっち行っちゃったの?お〜い!