10/24のねこさん        文は田島薫

茶たろーの通勤 2


茶たろーは毎朝来てるわけでもないようで、きょうは来ないのか、って思いながら昨日の

午後、家人と自転車で隣町の病院まで病人の見舞いに行きたそがれ時に帰って来ると玄関

の前に茶たろーが寝そべって待っていた。茶たろー、われわれが来ると1メートルばかり

向こうに逃げてから丸くなって、ごはんの用意してるこっちをうかがってる。

キャットフードと水を出して、引っこむと、エンボスガラス越しにすぐに影が歩いて来て、

尻らしい影がしばらくごそごそ小さく動いている。


いやいや、朝来た時にゃ、ごはんが出なかったもんだから、腹へっちゃったな〜、さっき

来た時もごはんが出ないもんだから、出るまで待つか〜、ってことだったんだけど、そ〜

いや、ごはん出る前に人が出て来なくちゃごはんも出て来ないんだった。なんだか家の人

どっかへ出かけちゃってるよ〜なかんじだから、帰って来るまでごはんは出ない、ってこ

とだな多分。じゃ、まずここの人が帰って来んのを待つ、そしてここの人がまた出て来た

後、ごはんが自動的に出る、つーわけだな、ちきしょー、まだかなまだかな、お〜、やっ

と帰って来た、ごはんが帰って来た〜。


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