1/4のねこさん        文は田島薫

うっせーぞー


繁華街まで家人と映画を観に行った正月2日の午後、開映までの間、付近の寺の裏路地

を散歩してたら、古い家の屋根に白っぽいねこさんがいた。そばには巨大な木があって

上の方は小鳥の集会所なのか騒がしく、ねこさんのすぐ上のあたりでも何羽も飛び回っ

ているのを、ねこさんじっと見上げてる。われわれはそれをながめて、ねこさんに声か

けたりしたんだけど、ねこさん、われわれより鳥さんたちの方が気になってる模様。


ここの屋根で昼寝しよ〜と思ったんだけど、やっぱ、うっせーなーあいつら、おいらが

まだここへ来たての最初は、お、くいもんがいっぱいいるぞ、って、つかまえよーとし

たんだけど、あいつらすばしっこくて、おしーとこで逃げられちゃってたんだよな、で

も今じゃ、おばさんがごはんくれるもんで、こっちも腹いっぱいでてきとーんなっちゃ

ってもっとつかまえらんないんだよな、いやいや、こらー、うっせーぞー、しずかにし

ないと、とっつかまえて、くっちゃうぞー!、つっても、説得力ないか〜。


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