7/6のねこさん        文は田島薫

黒とら甘える


小雨が降ったり止んだりだったきのうの夕方、長野から帰って来て家人と駅から歩

いてる途中のねこよこちょう入口角の家、庭をのぞくと、テラス前の縁台の上には

きょうは黄とらの代わりに黒とらがあっち向いて寝ていた。あれ?黄とらはいない

よ〜だな、つって、とりあえず、ちょっちょっ、ってふたりして舌で合図送ってた

ら、少し首を回しかけたんで、お、気づいたか?って思ってると途中まで回しかけ

た首をまた向こうへ向けたと思ったら立ち上がった。その時、テラスの方から奥さ

んが出て来て、われわれには気づかないまま、縁台を下りて足下にまとわりつく黒

とらに、そんなにそば来たってなにも出ないよとかなんとか言ってる。


いやいや、兄貴いるかな、って思って来たんだけど、やっぱ、雨降ってたから出て

来てないか〜、台の下なら濡れないから大丈夫なんだけど、ここんとこいつも兄貴

は台の上だったからな〜、じゃ、きょうはぼくが上で寝てやっかな、そ〜すれば、

兄貴が下行って寝て、もし雨降って来てもぼくだけ濡れればいんだから、ん?いや、

やっぱ濡れんのはやだからそん時は下に一緒に寝させてもらお〜、あり?だれかぼ

くを呼んでるよ〜な感じすんね〜、どっちかな、あ、あっちからおばさんが出て来

た、ね〜ね〜おばさ〜ん、兄貴はど〜してんの〜、ね〜ね〜


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