7/21のねこさん 文は田島薫
思わず走っちゃっうねこさん
きのうの休日の夕方、家人と駅前の踊り祭り見物の後の帰路、横道に沿って建って
るアパートの前の家のフェンスの向こうにねこさんが寝そべってるのが見えた。
お、ねこだねこだ、って、それでもくつろいでるとこ邪魔しちゃ悪いんでふたりで
ねこさんから2メートルばかり離れた場所へ行きながめてると、ベージュグレー色、
ってようなしゃれた毛のねこさん、こっちに気がついて、ちょっと目を泳がせたよ
うにも見えたんだけど、それでも同じくつろいだ姿勢のままでじっとしていた。し
ばらくそのまま見合ってから、ちょっと近づいてみっか?ってことで、私が手の平
を前に出して一歩踏み出した途端、ねこさん、慌てて立ち上がり、うしろの植木の
裏へかけ込んだ。どこ行ったかな、ってふたりでそっちをじっとながめてたら、ふ
いにカサカサカサってそばの落ち場を掘るマネしてるねこさんが見えて、あれ?ん
こすんのかな?って見てると、ねこさん、すぐに向こうへ走って行っちゃった。
や〜、あっちくてまいったね〜きょ〜は、でもここはちょっと涼しくてたすかる〜、
なんだか昼間ず〜と、うるさい音が遠くから聞こえててやだったんだけど、やっと
静かになったよ〜だね〜、よかったよかった、これでやっとゆっくり昼寝ができる、
ってもんだ、って言ってるそばから、だれかがそば来て立ってるね〜、一難去って
また一難。なんだ?じっとふたりでこっち見てるね〜、落ち着かないね〜、はやく
帰ってくんないかね〜、そしたら、ゆっくり寝られるんだけど、まだかな〜?おっ
と、こっちへ来るのか、やばいっ、とととととと、どきどき、え〜っと、まてよ、
そんなに慌てるこたなかったかもな〜、だって、鉄のしきりがあって、だれも、こ
っちへは入って来られないんだからな、や〜かっくわりかったかもな、だから、そ
だ、ぼくは急にトイレ行きたくなった、ってことにすっか、そだそだ、こーやって
穴掘って、きみたちのことはなんとも思ってないですよ〜、おっとまだ見てる、や
ばいっ、思わずまた走っちゃってるね〜ぼくは、そだ、ぼくは急にジョギングを〜
したくなったんだよ〜、だ、ばかやろ〜