5/20のねこさん 文は田島薫
トイレ好きのねこさん
ここんとこねこさんは爆睡してるシックを見かけるぐらいだったもんで、もう何週間も
前に近所のスーパーへ家人とビールなんかを買いに行った帰りに遇ったねこさんの話。
ふたりで重い買い物袋下げて坂を上がると右手の3棟ぐらいあるトタン張り住宅の石垣
から白っぽいねこさんが斜め向こうに道を渡って小さな稲荷神社の手前どなりにある家
のアプローチに入って行った。お、ねこさんだ、ってそばまで行って見てみると、ねこ
さん、アプローチの途中にある、長方形の植木鉢に前足をかけて、こっちに気がつかず
に熱心ににおいをかいでいる。やがて、何かふにおちたように体をその上に移動するよ
うな素振り見せながら、ちょっとこっちをふり向き固まった。間もなくわれにかえった
ねこさん、両足を下に戻すと、とととととと、アプローチの奥へ行っちゃった。
さ〜て、しっこすんどー、や〜、たまったたまった、ぼか〜、ど〜ゆ〜わけか、しっこ
すんのたのしみなんだよな、こ〜、しゃー、ってしてる時の、からっぽの気持ち、つー
のか、なんつーのか、とにかく、だれもいないとこで、や〜きみはここで思う存分しっ
こしていんだよ〜、ってゆるされた感じ、つーか、そ〜お、じゃおことばにあまえて、
思いきりさせていただきましょーか、つって、体じゅうのちからがぬけてく感じ、や〜
まいったまいった、気持ちい〜、ってことで、なるべく、それを長く楽しみたい、って
ことで、ちょっとしっこしたいな、って思ってもすぐにしないで、まだまだ、、つって
できるだけためてから、すんだよね、で、そのトイレだって、よ〜く選んでから決める、
今の気分はこ〜、この草のかおりとこういった土のやわらかさんとこ、なんつってね。
さて、ここはど〜かな、ん〜ん、いい線いってるかもね、うんうん、土の方もいい感じ、
おしっ、もー、ここに決めちゃうか、しっこの方もがまんが無理の感じだし、さあ〜て、
だれもいないよな、念のためにちょっと見回してみよ〜、って〜と、しっかりこっち見
てるのがふたりもいるじゃん、やばいじゃん、はやくほか行かなくちゃ出ちゃうじゃん、
ととととと、じゃんじゃんじゃんじゃん。