8/6のねこさん        文は田島薫

路地坂のねこさん

初盆の準備などで茨城へ来てるんだけど、前日の土曜の午後それ用のはみがきやお茶を

買いに近所のスーパーへでかけたら下り坂が交叉する路地でねこさんに遇った。

黄色の小さいねこさんで、坂下りながらこっちに気づき、ふり返って立ち止まってる。

お〜い、って声かけて近づいて行くと交叉の先へ下りて左手の家の門の中へ入ったんで、

そば行くと、今度は門トビラの向こうからこっちを見てる。ちょっとまた近づくと、慌

てて家の横の隙間のちょっと高くなったコンクリの上へ乗ってから、今度はゆっくり歩

き去った。


このあたりは時々あぶない犬が出てくっから気をつけないといけないんだよな、こ〜、

散歩してても、このいい雰囲気の坂の散歩をゆっくりお楽しみ、ってわけに行かないわ

けで、いつあいつが出てくんじゃないか、って気をつけないといけないんで、で、あい

つが出て来てもあんまり慌てて走ると、下り坂に勢いがつきすぎてケガしちゃう、じゃ、

ゆっくり走るか、って言うとこんだはあいつにかみつかれちゃう、ってどっち転んでも

あぶない、ってことで、ここをアブナザカ、って名付けちゃおう、って、落ち着いてる

場合じゃないんだよ、こうしてるまにもあいつが後ろに来てるかもしんないわけで、ふ

り返ってみないと、ってふり返ると、あいつじゃない代わりの間抜け顔がこっち見てる。

なんだ、って言ってるまに近づいて来るぞ、無気味だね、とりあえずそこの横の家へ逃

げといた方がいいね。お、やっぱりここまで来た。で、また、近寄ってくっか、やばい、

ダ〜ッシュ、まてよ、ぼくは鉄の囲いのこっち側だから大丈夫か、よかった〜。


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