6/18ののらねこ 文は田島薫
真夏日のねこさん事情
やっぱり連日30度の夏日ともなると毛皮着たねこさんたちは、尋常な生活は無理な
んで、どっかへ団体で避暑に出かけたようだ。
休み明けの朝見るとエサ皿はきれいになってるんだけど、ねこさんに会う回数がどん
どん減って来て、先月ぐらいはまでたびたびとなりのベランダの付近のお互いが1メ
ートルも離れてない位置で仲良く寝てたブラッキーとバットマンもそこに見かけるこ
とはなくなって、バットマンが朝大急ぎの朝食に現れるのや夕暮れにどっか隠れ家へ
行く途中の彼にたまたま遭遇するのと、ねこけもの道のつきあたりの日陰でブラッキ
ーが尻向けて寝てるのをたまに見かけるぐらいだ。
午後何気なくドアよこの窓から外見ると、あまり見かけない少し汚れてやつれたくろ
とらがいた。エサを食べに来て、さて帰るかな、って階段の下り口に立ったところ、
ちょうど涼しい風が吹いてきたもんで、お、気持いいね、って目を細めているところ
のようだった。
さてそれ以上のねこさん来そうもないんで、酒屋行くついでに路地の見回りに行って
みたけど、北側にも南側にもねこさんいなくて、昔から顔見知りの近所のおねえさん
に久しぶりに遭遇して、元気?、じゃ、よかった、ってあいさつかわしただけで、戻
って来て、ねこねたゼロだ、って思って、事務所のあるビルの手前の建物のすき間に、
さっき来てたのと別のもっとやせてやつれたくろとらが入って行くのが見え、続いて、
別の方角からしろが登場した。そばまで行って見てみると、建物よこの外階段の4〜
5段目にやつれたくろとらが寝そべっていて、階段の手前に毛を洗ってもらったばか
りのようなしろが立って、ふたりで私の方を見つめてた。
しろは目を丸くして、なんだなんだこの人は、って顔で、くろとらの方は、目を半開
きで、や〜、疲れちゃって、もう動きたくないな〜、って顔。