10/15のねこさん       文は田島薫

墓地で遭ったねこさん


先週の連休前の晴れた金曜、家人と茨城の田畑の中にある共同

墓地で両親の墓参り終え歩き出したら、どっかの家々の墓石の

並んだ間の通り道の奥に黒トラ柄のねこさんが佇んでこっちを

見ていたんで、家人と、よ、こんにちわ、などと呼びかけて、

なんか食わせるもんあるか考えたりして、しばらくこっちも相

手を見てたんだけど、ふっくら栄養も足りてるようだし、びっ

くりしたような顔したままじっと固まったように動かないんで、

こっちが先に、じゃ、さよなら、って言って歩き出した。


ここらがおらのなわばりだから、見回りに歩いて来てみれば、

お、見たことないあやし〜のがいたぞ、どーすっかな、こらっ、

って怒ってやるのはど〜かな、まてまて、あっちが、ど〜うご

くのか見てからにしないといけないな、ひょっとすっと、おめ

にうんまいもんをやんべー、って言ってんのかもしんないし、

もーさっき、あっちのうちでごはんくっちゃったから、はらは

へってないんだけど、うんまいもんならべつばらだかんな、ど

ーなんだ、そこんとこは、どーすんだ、おいっ、ばあいによっ

ちゃ、おら、怒っぺ、ありっ、行っちゃうのけ?


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