生理的な…
薬の副作用を検査するために10年ほど病院の眼科に通っている。
10年ほど通って…、といってもゆっくりとした経過観察だから年に2、3回
いくだけなので気が楽だ。
気は楽だが開業医ではないので2,3年で担当が代わるのが残念だ。
小生の世代になると眼の診断というと加齢による症状がふえてくる。
老眼と遠視は違います、にはじまって白内障、緑内障、飛蚊症といろいろ症状
がある。
小生は副作用の検査なので見え方についてはあまり親身になってくれない。た
いていは裸眼で1.2の視力になってしまう。当人にしてみれば目は霞むし長
時間の読書は堪える。これらのことを訴えても、「お歳のせいですね」または
「年相応よりいい数値ですよ」とか言われてすごすご帰ってくることになる。
最近はどの診療科でも「お歳ですから」がふえてきた。
つい先日、去年コロナさわぎで抜けたので2年ぶりに検査にいってきた。
眼底と視野の精密検査が終わってから視力検査の表を見ながら「見え方はどう
ですか」と聞かれた。
また新しい医者だ。前任者より話をていねいに聞いてくれるので、日頃の不満
をつたえた。
すると先生はこちらの訴えを聞くたびに「それは生理的なことです」「あ、生
理的な反応ですね」と必ず生理的という言葉をはさんで答えてくる。やたらに
生理的といわれるとなにか問題があるのかと心配になってきたが、この先生さ
きほどから定番のお歳のせい、加齢という言葉をいちどもつかっていない。そ
うか、老化も生理的な現象だ。二言目にはお歳ですといわれるより気分がいい
ことに気が付いた。 |