4/19のねこさん       文は田島薫

まないたのニケ


毎日のように子どもたちが来て、なでたり抱き上げたりするんで、だんだん

うっとーしくなったねこさんたちは、なんとなく目立たないように逃げたり、

パネのように、予兆を感じるとダッシュして逃げたりしてるんだけど、一番

愛想のいいニケは、できるだけ相手してやってもいいか、って考えてるよう

で、先日も子どもたちにされるままになってた。


お、あいつらが来たね〜、毛をこすってもらうのはきらいじゃないから、や

ってもらおーか、はい、どーぞ、んんん、いーんじゃねーの、もっと、こっ

ちの方もたのむよね、あ、そっちじゃないんだ、ってば、なんで、こっちば

っかりやんの? あ、こんだ、こんにゃろに代わったの? あ、やっぱ、こ

っちばっかやって、こっちばっかやってっと、こっちのここが、ハゲになっ

ちゃうじゃねーの、あ、もーやめたの、どーすんの、ぼくを抱き上げる、っ

てか、よいしょ、ってか、前足の下んとこをそんなに力まかせに押されちゃ

うと、苦るし〜んですが、んんんん、も〜すこしのがまんか、ふー、やっと

下ろしてもらえたかー、え? こんだはちみが抱き上げる、って?


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