思いつくまま、気の向くまま
文と写真は上一朝(しゃんかずとも)
シャンせんせいのガンリキエッセー。
シャンせんせいには、まだ珍しいミスだったのかも。
廊下現象
『学内の廊下を歩いているとき何かの拍子によろけたとたん近くにいた
女学生から「先生ろうかげんしょう」と声をかけられた』と、慶大教授
池田弥三郎が随筆に書いている。だいぶ昔に読んだものなので正確には
覚えていないが、粋人であった池田は教え子の無作法をとがめるのでは
なく、掛け声の間の良さと才知をよろこんでいるふうであった。
最近この老化現象があなどれなくなった。
先日はスーパーのレジで12円の端数がでたため釣銭をきれいにしよう
と千円札に12円をそえて出した。レジの小皿の上には1012円乗っ
ている(と思っている)のにすぐに受け取ってくれない。ちょっと間が
あって「これ100円玉ですけど」とレジのオバサンが指さす先には
1111円あった。1円玉と100円玉を間違えている。さっき小銭入
れで確認したときは確かに1円玉に見えたのだが…。
白い硬貨はその時々につごうのいい硬貨に化けるようだ。今回は金額が
多すぎたからいいようなものだが100円出すところに1円を出してす
ましているときほどばつが悪いことはない。