思いつくまま、気の向くまま
  文は上一朝(しゃんかずとも)


シャンせんせいのガンリキエッセー。
シャンせんせい、ミャンマーで出会った人々のことを想ってるようです。





ミャンマー大変




2021年2月1日ミャンマーで政変があったようだ。

まさか今年の節分が124年ぶりに2月2日になったからでもあるまいに。


この不吉な知らせは夕方になって、軍事クーデターが起こりウィン・ミン大統領、

アウンサンスーチー国家顧問兼外務大臣がそれぞれ自宅で軟禁されたほか全国で与

党NLD関係者数百名が拘束されたと報じられた。このとき軍の裏に中国がいるなと

直感したが後日間違いでないことがわかった。


2012年4月にミャンマーの国会議員補欠選挙が行われ、スーチー女史が立候補

することを知ったので、世紀の瞬間に立ち会おうと野次馬をきめこんだミャンマー

旅行にはとくべつな思い入れがある。

日本その他の国では選挙と言えば国中がわいているのにミャンマーの旧都ヤンゴン

にはその気配がまったくない。現地で頼んだガイドさんにその疑問を話すと、言葉

少なめに「軍政が長く続いたからでしょう」と返ってきた。その夜ガイドさんの同

僚の家の夕食にまねかれた。そこではガイドさんの態度が一変、ともにスーチー女

史の熱烈な支持者である同僚とともに、「スーチー女史の当選により民主化がすす

み、諸外国との交流が活発になって国が発展することを望む」と政治について熱く

語ってくれた。

翌日は投票日。夕方になってガイドさんがスーチー女史の事務所に連れて行ってく

れた。街の中心から離れた事務所に着くとそこだけは別世界。スーチー女史の躍進

を喜ぶ支持者が集まり、互いに明日のミャンマーを語るかのように喜びあっていた。


2010年新憲法下で総選挙が実施され、延べ15年にわたるスーチー女史の自宅

軟禁も解除された。

2011年テイン・セイン大統領が就任し50年続いた軍事政権から民政移管が果

たされた。つづいて2012年連邦議会補欠選挙でスーチー女史が当選する。その

後2015年に「25年間でもっとも自由で公正な選挙」といわれた総選挙で国民

民主連盟(NLD)が大勝。2015年11月に行われた総選挙で圧勝した。

あれから9年、ミャンマーの民主化すべては夢と消え去るか。


クーデターというものは重宝なものである。

気に入らない政治形態を一瞬にして吹き飛ばすことができる。

叶うことならクーデターを起こして、第一次安倍政権から現在まで政権維持にかか

わった人間を追放してしまいたい。そうしたら女性方もいちいち「わきまえない」

ですむからせいせいするだろう。

と、夢にも思ってはいけないか。


戻る