透明性
マスク一つとっても目元発信と口元発信でコミュニケーションの取り方に違いがある。
異文化の交流に必要なものは共通言語であろう。
方言の違いレベルでいうと、地球上にはおよそ7000の言語があるそうだ。
話し言葉でも、文書でもおなじ価値観をもたなければ意思の疎通はできない。
森舌禍で恥ずかしいことになったオリパラ組織委員会の後任会長選出は川渕問題で密
室人事の批判をうけた。委員会事務局は、汚名挽回のため会議の透明性をもって会長
の選出にあたることを国内外に公言した。
しかし、立候補制度を導入して公開討論をしたらいい。選出委員を最初から公表すべ
き。等の意見も排除され会長選考委員会は事務局長一任の形で動き出し、最後まで沈
黙を貫き会合の様子が公開されることはなかった。これがわが国の公的組織の言うと
ころの透明性である。
国内向けには「どうせこんなもの」と国民はみているからよいのだろうが、異文化で
ある外国には相手の言語で伝えなければならない。そこで必要になってくるのは翻訳
とか通訳というものである。
英語圏にむけて「透明性を保つ」は Ensuring transparency と、また「制度の透
明性という場合は transparency of the system と訳されることが多い。
いくら英語がわからない小生であってもこの英文からオリパラ組織委員会の後任会長
選出劇の様子を想像することはできない。今回のドタバタ劇はどのような形で伝わっ
ているのだろうか。これが日本の透明性であると伝わっていたとしたらなさけない。 |