14/4のねこさん       文は田島薫

かむニケ


昼間、2階の居間に陽が当る頃、入れ代わりねこさんたちがベランダに来て、

ガラス戸口に新聞紙を敷いてもらった上に寝転んで、ブラッシングしてもら

ったりするんだけど、一番ひんぱんに来るのがニケで、ブラッシングされる

のが大好きで、いつも手足伸ばしたり寝返りうったりで、恍惚の表情なんだ

けど、うれしさのあまり、突然かみついてくることがあって、アマガミのつ

もりなんだろうけど、少し出血するぐらいかむんで、イテッ、って言って家

人や私や子どもたちもだいたい一通り被害に遭ってるようだ。家人や私はそ

のたんびに叱ってるんだけど、なかなか直らない。


いやいや、ここで、こ〜座ってる、て〜と、だれかが来て、ぼくをブラシで

なでてくれるんだよね、あり?なかなか来ないね〜、そこのあなた、こっち

来て、ぼくの体をなでたらい〜んじゃね〜の、ほら、どした、こっちへ、は

やく、来い、つってもなかなか来ないなら、帰っちゃうよ〜、い〜の?あり

?帰ってもい〜ってか?ま、そ〜言わずに、こっち、へ、来い、つってると、

お、やっと来たね〜、そこそこ、気持い〜ね〜、じゃ、ごろん、ってこっち

もやれっ、ん〜、い〜、この手か、こんにゃろ、かぷっ。


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