5/11のねこさん       文は田島薫

ニケの手すり渡り


2階の居間にいるわれわれにかまってくれ、ってしょっ中ベランダに来るニ

ケは、最近、手すりの上に乗ることを覚え、あぶないから下りなさい、って

ような注意なんかどこ吹く風の態度で、それを歩きまわってる。少しゆっく

り足場を確かめたりもしながらだけど。そこから、庭を見下ろしたり、家人

か私が見てることを横目で確認したりしてる。


ひょい、ってここへ飛び乗ってと、おっと、弾みつき過ぎると向こ〜へおっ

こっちゃいそ〜で、いつも、ちょっとだいじょぶかな、って心配なとこあん

だけど、この頃はずいぶんうまくなって、ぴたっ、って止められるね〜、い

やいやわれながらすごいっ、お〜、やっぱいつものよ〜にながめい〜ね〜、

おばさんたちはぼくを見てるかな?あれれ?だれもいないのか、じゃ、も〜

ちょっとこ〜してないといけないか、お、来た来た、心配してるかな?んん

そ〜でもないね〜、ほらほら、こんな風にあるいちゃうんだよ〜、おっと、

行き止まりで、戻んのが、こ〜、うしろむきで、ちょっとこわい。


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