2/25のねこさん       文は田島薫

ニケ心配する 2


家人と私が出かける時、パネに見つかるとずっと後をついて来られることが

多いんだけど、そんな時もニケは動かなかったのに、昨日、われわれがちょ

っと遠いマーケット行こうとした時パネがしつこくついて来たんで、引き返

して来て、迂回してパネをまいてから行くことにして反対方向の家の前の坂

を上って行ったら、今度はニケもいっしょについて来た。稲荷神社の森のわ

きをカーブする坂道を後からのなき声にふり返らず下りて、道のまがり口で

見てみるともうついて来ないようなんでそのまま出かけ1時間ばかりして戻

ると家にパネもニケもいないんで、私と家人が交互に神社の方を見に行った

ら、まもなくパネが自力で戻り、家人が神社の奥にこっちを見つめるニケを

みつけたら、しばらくの沈黙の後、駆け寄って来た、って。


あれ、おばさんたち出かけんのかな?ま、だいじょぶだよねいつものように

帰ってくるはずだし、あいつはまた追いかけてったね〜、ばかだね〜、お?

おばさんたち帰って来て、今度はこっち行ったね〜、あいつも追いかけてく

ね〜、まてよ、帰って来る、って思ってても帰って来ない場合もあるかも、

じゃ、やっぱ追いかけっか〜、待ってくれ〜行かないでくれ〜、つっても、

行っちゃう時は行っちゃうんだよな。しょ〜がないから、帰って来るまでこ

の木がいっぱいん中で待つか〜、まだかなまだかな、なかなか帰って来ない

とこみると、いよいよぼくらは捨てられちゃったか〜、さて、明日から、ど

〜やって食ってけばい〜んだろ〜、つってるうちに薄暗くなって来るし、ず

いぶん時間が経ったから、も〜捨てられた、ってことだな、きっと、つって

ると、おや、あれはだれだ?おばさんか?おばさんだ〜!


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