思いつくまま、気の向くまま
  文は上一朝(しゃんかずとも)


シャンせんせいのガンリキエッセー。
シャンせんせい、順法ならなんでもいいわけはない、って言ってます。





それ、を見たいか…


アメリカの大統領選挙は、10月に入るとOctober surpriseといって選挙戦に大きな

影響をおよぼす事件が起こるそうだ。今年はたしかにあった。トランプ大統領のコロナ

感染である。こういうのを「それみたことか」という。


なにごともアメリカ追従の日本でも、おやまあということがおきた。

日本学術会議の新会員候補の任命拒否で大騒ぎになった。しかし、政府は日本学術会議

法について2018年内閣法制局と協議して解釈を確認したと言っているので、この任命

拒否は、法の趣旨に反するかもしれないが、「国民に選ばれた私の決めた政策に反対す

る官僚は移動させる」と公言する菅の大臣のもとでは法に反することではない。

日本は間接民主主義の国だ。国民が代議士、議員を選びその代議士、議員が総理大臣を

選ぶ、よって菅の大臣は国民から選ばれたことになるので、「私の政策は国民の支持を

得ているので法の執行についていちいち説明するまでもない」というわけだ。これを進

駐軍民主主義という。

民主主義とは、議論を尽くしたが結論にいたらない場合に多数決で結論を出すが、その

ときに多数を取ったものは少数意見も尊重しなければならないというモラルの上になり

たつている。ところが進駐軍民主主義は敗戦の混乱期になんでも進駐軍が正しいとばか

りに、民主主義本来の趣旨を学習することなく多数決のみが居座ってしまい、「われわ

れは与党である」の一言ですべてを片付けてしまう一票差の横暴が日本の社会を支配す

ることになってしまった。いまのうちにこの悪習を正しておかないと、日本はそう遠く

ないうちに「それみたことか」ということになる。


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