7/8の日記          文は田島薫



静寂もねこも子どもも戻り、われわれは長い散歩に出かけた


わが家となりのバレエ教室の解体工事は先週でほぼ終わり、月曜には後片付けされて

泥の空き地になり、騒がしい工事中の昼間は、たいていどっかに出かけてたねこさん

たちも安心してよく現れるようになり、ねこさん目当ての子どもたちも、大雨の日以

外は学校帰りに連日わが家の庭に寄るようになって、庭にランドセル置いてねこさん

をじゃらしたりボール遊びをしたりしてひと時騒いでる。

火曜の午後の食料の買い出しに家人と歩いて行き、帰り道にここんとこずっとコース

になってる神社の紫陽花の咲く土手の下を歩き、次の公園の手前の広い駐車場のあた

りでねこさんが見えたんで、ちょうど買って持ってた煮干しをつまんで駐車場の縁の

そばに置いて、向こうの車のところからこっちを見てるねこさんに手招きしてから歩

き出してふり返ってみると、ねこさんそれを食ってる。気がつくとまたそばの車の陰

から別のねこさんが出て来たんで、煮干しを投げてやると食ってるんで見てると、ど

っかからまたまた別のねこさんが出て来て、あれ、って思ってるとまたまたまた別の

が出て来たんで、その別のふたりのいる方にも投げてやったら、うまくふたりともそ

れぞれ自分の分を食ってる。どれも耳がカットされてるからここのねこさんたちも避

妊手術の済んだ地域ねこのようだ。

水曜は隔週で書を習いに来てる家人の年上の友人が来たんで、具沢山チャーハン目玉

焼きつきでビール1杯の乾杯。雑談してお茶とお菓子も。

フォローしてて毎日見てる横尾忠則さんのツイッターで谷中の銭湯をリフォームした

画廊スカイバスハウスで個展をやってるのは知ってたんだけど、土曜までだ、ってこ

とを先日当人の告知で気がつき木曜の午後1時半過ぎ、家人と出かけた。

昔、六本木あたりでやったのを観に行ったことがあって、そん時は200号ぐらいので

っかい子ども時代の悪夢、ってようなのが沢山飾られて入場料も普通に取られたんだ

けど、バスハウスのは無料で、大きいのを数点と、小さいウォーホールのラフなタッ

チの肖像の連作を壁一面に並べたもんがリラックスしてて楽しかった。

画廊の受け付に入った時と帰り、私はどうも、って小声であいさつしたんだけど、家

人は、どうもありがとうございました、ってきちんと会釈して出た。上野公園方向に

歩き家人がいつも立ち寄ってお茶を飲みたがる老舗和菓子屋の前を、帰宅が遅くなる

から、って私がパスさせ、少し不服顔の家人と上野公園を抜け、アメ横へ行き、海苔

や干しえびやアーモンドを買ってから電車でわが家の最寄駅のひとつ手前の駅で下り、

近所にあったと同じスーパーでビターチョコやお茶やアマニ油なんかを買い、またふ

た駅乗って、2番目の最寄駅で家人がパンを買い6時前に帰宅。

日曜の午後は、家人が借りてたDVDで映画「トモロウランド」ってのを観た。悲観と

無策の人類がもたらす悲惨な地球の未来を、楽観やる気少女が救う、って話。


戻る