4/15の日記          文は田島薫



大酒飲みたい兄貴と長野の高原へ行って来た


先週木曜の遅い朝家人と池袋から高速バスで出発し、バスの中でゆでたまごやソーセ

ージに生キャベツにコロッケパンに野菜ジュースに缶ビール1本のランチを取りなが

ら午後2時過ぎに長野駅到着した。

家人は連絡を取っていた地元の友人とわれわれが予約してた安いホテルのとなりので

かいホテルのティールームで待ち合わせてたんで、チェックインの時間まで私も同席

してふたりはケーキとコーヒーのセット、私は生姜紅茶。

話に花を咲かせてるふたりを置いてチェックインの時間ピタリに私だけホテルの受け

付けに行くと、家人の兄貴がすでに来ていて一緒にチェックインを済ませ、ふたりで

とりあえず善光寺へ行き、本堂から裏のなんとか桜の咲く小道を散策。

参道の長い坂の途中にある造り酒屋と連係してる午後4時に閉店しちゃう蔵のような

インテリアの酒場のカウンターで、若い女マスターと話ながら、塩辛い醤油豆で地酒

を1合づつ、焼酎を5酌づつ飲んだらもう閉店時間オーバー。

歩いてると家人から兄貴に携帯電話が入り、友人の亭主と3人で晩飯を食うんで、そ

ちらも適当に、ってことだったんで、兄貴は、どうします?って私に聞きながら、居

酒屋で盛大に飲んでもいい、って思ってる風情だったんだけど、翌日におじゃまする

彼らのいとこの家でもたっぷり飲む予定もあったんで、今晩はきちんと定食のような

もんを食いたい、って応えたら、商店街の老人夫婦が経営してる素朴な食堂に連れて

ってくれて好みのおかず3品とみそ汁がつく定食と酒を1合づつ(だったか?)飲んで

から家人と連絡すると、もう友人夫妻と別れホテルに来てるんだけど、キーを持って

ないんで部屋に入れてもらえない、って言うんでふたりタクシーでホテルへ。

翌日は3人バスで信州新町へ行き、タクシーに乗り換え山奥の家人と兄貴の両親の墓

へ行きタクシーに待ってもらって周囲を掃除。下山してから、施設に入った彼らの伯

母の歓迎を得た後、再び出直してもらったタクシーで移動し、別の伯母の家の玄関で

伯母の笑顔を見て土産を渡し、伯母とその息子と少し話をして、そこから歩いたとこ

にある蕎麦屋で蕎麦と酒を1合づつ。歩いてさっきと同じタクシー会社に行き、また

そこから山里道と林道を走り高地にある小川村にあるふたりのいとこの家へ。

少しうとうと眠気を感じてたところ、うをー、って兄貴らの声に窓の外を見ると、眼

下に広大な高原、その向こうに黒っぽい山が連なってるさらに奥に北アルプスの峰峰

が奇蹟のように白銀に連なって間近に迫ってて眠気は一気に消えた。

小さなコンビニもやってる家のいとこが務めから帰るまで家人と仲良しの奥さんと雑

談してから、北アルプスをながめながら3人で道を下って古い寺まで行ってから戻っ

たら、いとこはすでに帰って来ていて、車で少し上部にある天文台やロッジ村のある

さらに夕陽をバックに北アルプスの峰の展望の開けた広場に連れて行ってくれた。い

くつものロッジは年間レンタルでいつも予約がいっぱいのようだけど、そのすばらし

い環境にくらべ、まだそれを十分には世界に知られてないようだった。

その晩は酒宴、ってことだったんで、兄貴は酒と焼酎の1升びんをすでに送っておい

たし私は缶ビールと豆腐を途中で買ったり、好き嫌いの多い自分のために念のためサ

バ缶を持参してたんだけど、さしみやいわしの大葉巻き、たけのこと大根の煮付け、

ワカサギやタコや、たらの芽や行者にんにくの天ぷらに、もらいものという越乃寒梅

の1升びんや高級焼酎もたっぷり用意されてて、私はビールの後、寒梅を1杯だけにし

て焼酎の小びんをちびちび飲み干し、なかなかいいペースだな、って自分で感心して

たところ、医者に節酒を勧められてるいとこがそろそろ自分は、って切り上げ宣言し、

ぐびぐび飲んで酔いつぶれるつもりだったらしい兄貴は、私もしょぼい飲み方してる

ようだし、ってことで少々不満顔のまま11時ぐらいに自らお開き宣言した。

翌朝も散歩や記念写真の後、朝食時、自分は飲まないくせに酒を勧めるいとこに、私

は朝は飲まない、ってきっぱり断り、一方、兄貴はうれしそうに、じゃあ、って受け

3合ぐらい飲み干してたんで、その晩も友人と酒を飲む予定の兄貴の身体が心配だっ

たんだけど、昨夜帰宅してる当人に確認したら無事のようでよかったよかった。


戻る