12/9のねこさん       文は田島薫

パネひざに乗る


家人に以外には甘えないむん、だれかれなくスリ寄ってくニケ、そのどっち

でもないのがパネで、やたら人に近づかないんだけど、そばへ来た人には失

礼のないように控え目に相手するし、自分が気になればいつのまにか庭仕事

なんかやってる私のそばへ来てながめてたりする。でも、一番今気に入って

るのが、朝ごはんの後ベランダへ来て、家人のひざの上に乗せてもらって体

をマッサージしてもらうことで、いつものどをごろごろ鳴らして気持よさそ

う。きのうの晴れた朝は家人が台所で洗い物かなんかしてたんで、私がパネ

の座ってるすぐそばの戸口に座って、しばらくいっしょに庭の方をながめて

たら、ふいにパネが私のひざの上に上がってきたんで、マッサージしてやっ

てたんだけど、のどはごろごろ鳴ってなかった。


いやいや、さ〜ておばさんのひざの上で体さすってもらお〜かな、これが気

持い〜んだよね、あれ?ここで待ってっといつもはすぐに来てくれるのに、

きょうはなかなかおばさん来てくんないね〜、あり〜?おばさんじゃない方

が来たね〜、なんかこっちの方に用があんのかもしんないから、そっちの用

のないぼくはあっち向いてることにすっかな、目合わせちゃうと勘違いされ

ちゃったりすっからね。ん〜ん、へんだな、なかなか向こうへ戻んないね〜、

用もないみたいだから、おばさんがするみたいにひざに乗ってほしいのかな、

しょ〜がないな〜、こっちのひざはあんまし気がすすまないんだけど、じゃ、

ちょっとだけ相手してやっか。


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