5/8のねこさん 文は田島薫
ミケのイヤイヤオアイソ
先週の連休こどもの日だったか、夕方家人と近所のスーパーへ酒買いに行った途中、向こ
うの稲荷神社となりの家の前に、奥の家の奥さんとミケがいるのが見えた。ミケは奥さん
の足元にピッタリくっついて寝そべってて奥さんは何か手に持ってなにか言ってる模様。
われわれがそばへ行ってあいさつすると、奥さん、持ってたニボシを私に手渡し、ミケに
やってみて、って言うんで、ミケの鼻先へそれを持って行くと、ミケ、食うようなそぶり
を一瞬見せてから口を閉じたんで、ニボシは地面に落ちた。拾い上げてもう一度鼻先に持
ってった時、奥さんが、ほら食べなさい、って言うとゆっくりくわえてから少しかんだ後、
立ち上がって、奥さんの後ろの石段の陰へ行って隠れるように座り込んだ。
いやいや、おばさんにちっちゃい魚もらって食ったり、おばさんの話をこーやってそばで
寝転んで聞いてるのはわたしゃ好きなんだよね〜、気持も落ち着くし、ほら、あっちの木
の方からそよいで来る風もい〜においで、も〜、ず〜っとここでこ〜しててもい〜ね〜、
つってると、あっちから、あのうるさい2人組が歩いて来るね〜、2人組もあのやさし〜
感じのい〜方は好きなんだけど、も〜ひとりの方はあんまり好きじゃないんだよね、お、
こんなそばまで来ちゃって、さて、ど〜すっかって見てると、感じのわるい方がおばさん
からちっちゃい魚もらって、自分のもんのように恩着せがましくこっちへさし出したね〜、
なんだって、おれがやるんだかんな、だって?そんなまがった魂胆なら、食ってやんない、
ぺっ、ってはきだしちゃおー、え?おばさんがなんか言ってるね〜、食わなくちゃいけな
いよ、って?しょーがないね〜、じゃ、ぱくり、と、さて、も〜あっち行ってい〜よね。