まちに待った323
左から書いても323。右から書いても323。これ、回文というのだろうか。
今回は、回文ならぬ怪聞と快聞の話し。
隠居をきめこんでから、退屈というか、のんびりしているというか、刺激のある日はめった
にない。
323、3月23日はちがった。まちに待った日である。昼間は森友学園理事長の国会証人
喚問がある。ふつう国会の証人喚問は衆参両院で行われるので早くても2,3日を要する。
しかし、ありがたいことに今回は安倍自民党の驕りで午前参院、午後衆院と一日でやること
になった。そして夜中、正確にいえば24日午前0時半からサッカーワールドカップ最終予
選日本対UAE戦がある。こんなに朝から晩まで好奇心と刺激に富んだ日はめったにない。
まちに待った日となったわけだ。
安倍自民党の驕りと書いたのにはわけがある。今回の騒動、国有地払下げ疑惑のはずが、か
たや寄付金をもらった、こなた出さないと、首相夫人をまきこんだ大騒動になっている。首
相本人もはじめのうちは理事長をほめていたのに、「首をかける」だの「しつこい人だ」だ
のと変節を披露してしまったので早くかたづけたい。
刑事罰をともなう証人喚問とは、昔、ロッキード事件で証人に立った会社役員の署名する手
が震えていたくらい重圧のあるものである。安倍自民党は、たかが幼稚園の理事長、衆参両
院の証人喚問でとっちめてやれば簡単に片がつくと軽く考えて衆参同日開催という異例の日
程を組んだのであろう。
ところが理事長先生なかなか気骨のある人で、ベテラン議員を向こうに回して一歩もひかな
い。とくに衆院自民党議員が「私はもと警察官僚である」と脅しをかけてから質問をしたが、
理事長先生一向に臆せず、議員の質問の仕方が失礼だとやりかえして満場を湧かし、最後に
はこの議員に「ここで水かけ論をしていてもしょうがない」と言わせるくらいに安倍自民党
のもくろみを粉砕してしまった。
国会中継がおわり、サッカーを待つあいだ各局が証人喚問の解説番組を流すので退屈しない。
やがて時計は0時30分。おまじないのピーナッツとウィスキーを準備して完全アウェーの
UAE戦のキックオフ。長谷部が欠場なのでどうなるかと思っていたが充実したプレーで前
半に久保が一点。後半に今野が2点目を入れるという快挙で、見事2−0で押えた。中東の
笛が心配だったが、FIFAも気を使ってベテラン審判を起用したそうなので安心して見て
いられた。後半、逆転は無理と言う時間になるとUAEのサポーターがゾロゾロと帰って行
く。となりの臨時サポーターに「あんなに熱狂的に応援していたのに薄情だね」というと
「合理的なんでしょ」と返ってきた。
こうして、13時間にわたり好奇心と刺激をあたえてくれたテレビの画面が暗くなった。
写真は、お供え物と今野のゴール瞬間。 |