3/7のしゅちょう
            文は田島薫

退行的国防論、について


安倍首相はここへ来て、憲法改正の意志をはっきり表明、参議院選挙を弾みに、

議員3分の2以上の賛同を得られるものから順次改正し、最終的には9条の戦争放

棄条項まで変えるつもりのようだ。

参議院議員選挙に臨み、野党が安保法制廃棄を目標に協力しあう雰囲気になって

きたもんで、当初、選挙戦は景気対策などを強調した主張を全面に出して、国民

の目をそらして勝利後に憲法改正進めちゃおう、ってつもりが、野党からその魂

胆を突かれる可能性が大きくなり、もともと隠すつもりなんかなかった、って弁

明できるようにすることにしたんだろう。

野党連合が自民党の法改正は戦争に向かう政策だ、ってような結論が先に来ちゃ

う訴えに対し、半信半疑の国民を、うまく「軟誘導」するつもりなのだ。

そんな野党が言うように、国民に戦争をさせることになるなんてこの21世紀の国

際社会の中の正常な国である日本には起こり得ないことだ、って言うんだろう。

ただし、北朝鮮のような正常とはいえない国がある以上、最悪の事態も想定し、

それを未然に防ぐことは肝心なのだ、だから米国との集団的自衛権は是非とも必

要なことなのだ、って言うんだろう。

安倍首相は国のリーダーははっきり物事を断言するのが信頼を得るコツだとか思

ってるかのように、かつて、福島原発の放射能汚染液は完全にコントロールされ

てる、ってような事実とだいぶ違うことを云って、たしかに多くの海外の人々を

安心させたことがあったし、今だって、戦争にはならない、ってようなことを平

気で言い続けてるわけだけど、それについての保証はどこにもないのだ。

戦争はいつでも起こりうるのは、現に日本の当の同盟国である米国が戦争中であ

ることを見てもわかるんだけど、シリアなどへの空爆などは戦争ではない、って

言ったり、実際に自衛隊の戦争参加になったとしても、不測の事態が起きた、っ

てことで済ませられちゃう類いのもんなのだ。

戦争は相手国の都合を大国が力づくで押さえつけようとした時の反発で起きるこ

とが多いのは、昨今の戦争でも、わが国だって今の北朝鮮に似た状況で追い詰め

られて始めた経験があることを忘れちゃいけないのだ。だから、安倍首相の進め

る安保法制整備は戦争防止とは全く逆の方向への道なのだ。

とにかく過剰な敵視政策が相手に戦闘感情を育ててしまう、ってことをいつも念

頭に起き、かつて自分が来た道の後輩への寛容な外交こそが今必要なのだ。




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