思いつくまま、気の向くまま 文と写真は上一朝(しゃんかずとも)
シャンせんせいのガンリキエッセー。
センセーは、ちょっとした気晴らしに出かけそこそこの幸福に出会ったようです。
いいことあった
わが鹿島アントラーズは絶不調である。
前節もDS県U市をホームとするチームに、こちらが弱いのを承知で猫がネズミを捕るよ
うになぶり殺しにされた。もちろんスポーツニュースも勝敗を告げるだけで一言のコメン
トもない。という屈辱的な日々をすごしているとき、ACLのホームアンドアウェー戦、
柏レイソル対韓国の水星ブルーウィングスの試合、これでも国際試合(笑)のチケットが
まだ買えると老妻が聴きこんできた。
柏レイソルはこのあいだアウェーで水星に3−2で勝っている。この分ではホームでも勝
つかもしれないと、とくべつ応援しているわけではないが、なにしろ一宿一飯の恩義があ
るところなので勝てばすこしは気が晴れると応援に行くことにした。
電車とバスを乗り継いで着いたところは、Jリーグ公認競技場では日本一ボロな日立台サ
ッカー場。ここは、最前列にすわれば選手の汗が飛んでくる(笑)くらいのローカル色い
っぱい。
型どおりの選手入場がおわるとキックオフ。アウェーで勝ったいきおいで、いい試合展開
を見せてくれると期待したが、きょう勝てば8強入りという緊張のせいか動きがわるく押
されっぱなし。3分、4分、14分とたてつづけに強烈なシュートをくらった。座った席
の目の前が柏のゴールで、必死に防ぐキーパー菅野の動きをひやひやしながら見ていた。
運命の26分。鄭大世の柏のすきをついた強烈な右足ライナーで失点。やっぱりテセは上
手い。水星の選手のなかでもひときわ秀でている。このあとも2本のシュートをくらった
がなんとか前半は0−1できりぬけた。柏の選手の動きがトロイうえに見ている場所が低
いので試合全体が見渡せないからまるで草野球をみているようだった。
男子トイレのほうが女子トイレより行列が長い、というふつうと逆の経験をして後半戦へ。
後半戦キックオフ。休憩もとったし監督の指示もうけただろうから変わると思っていた柏
はすこしも変わらずもたついている。3分、5分、8分とつづけさまにシュートを打たれ、
ついに9分具滋龍にたたきこまれてしまった。これで0−2。もうだめだと思っていたら
柏の動きがよくなり少し柏らしさがでてきた。20分レアンドロとクリスティアーノのコ
ンビが左サイトを突破。レアンドロのシュートはキーパーにブロックされたがそのこぼれ
球を小林が叩きこんだ(写真)。小林はプロ初ゴール。
これではずみがついて、せめてドローで終わりたいと思っていたが力及ばず1−2で負け。
話しはそれるがこの写真はマニュアルフォーカスの中望遠レンズで撮った。いまどきのオ
ートフォーカスのズームレンズで連写すればだれにでも撮れる写真だが、選手の動きを追
いながら手でピントを合わせ、シャッターチャンスもまあまあなのがこの写真である。プ
ロならネットに入ったボールがゴールマウスの入り口で止まっていなければならないが、
まだこのくらいは写せることがわかってホッとした。
試合がおわって立ち上がったとき、うしろで大声援をおくっていた青年と目が合ったとた
ん「勝ちましたね」といわれた。一瞬「???」であったがそれにはわけがある。柏はき
ょうの試合には負けたけどホームアンドアウェイ方式では、2回の試合の得点の合計が同
じときは先にアウェーで勝ったチームが勝利となる。アウェーで3−2、ホームで1−2。
合計で4−4なのでアウェーで勝った柏が8強入りをはたしたわけだ。いい写真も撮れた
し、柏も8強入り。よかった、よかった。