2/23の日記          文は田島薫



近所のおやじさんの死と旅行の準備


週末ごろから、わが家の斜め向かいの家に、見知らぬ男女の出入りが多くなって来て、

もしや、って思ってたら、きのうは、黒いスーツを着た男女の出入りになり、とうとう、

車に棺が運び込まれて、近年デイサービスに送られる姿が急激に弱ってきてるように見

えたおやじさんが亡くなったらしいことがはっきりした。年末にどちらも80代の年令と

はいえ奥の家のおやじさんが亡くなったばかりなのに。

近所に心配かけずに親族だけで密葬しちゃおう、って感じの風景を2階から家人となが

めたりした後、さて、われわれは旅行の準備しよう、って、家人が見つけて予約した格

安パックチケットのイギリス行きのもろもろをネットで調べたり、グ−グルマップで現

地のあたりネット散策したりして、あっと言う間に一日が終わった。

家人は私と一緒になる前からイギリスが大好きらしく、もうすでに3回各地を回ったこ

とがあって、それから長く体調をくずしてたため海外旅行にずっと行ってなかったのが、

元気になったら、ことあるごとにイギリス行きを私に誘ってたのだ。

私の方は20年以上前につきあってた友人に誘われてバリ島みたいな島に3度行ったのが

人生の海外旅行のすべてだし、だれかに誘われない限り、自分から是非海外行きたい、

って気持ちはあまりなくて、今回もグ−グルマップのストリートビューで十分行った気

になれたもんだ。それに、今や、イギリス出身のアラブ過激派に日本人が標的に指名さ

れたり爆弾テロの予告もされてる時期にわざわざ行くこともないんだけど、いつまで経

ってもその危険がなくなる時期はこれから来ないような気もするし、毎日死と向きあっ

て生活してる世界の人々のことを思うと、少し危機感持って旅すんのもいいのかも、と。

もし、そんなテロに巻き込まれたら、運命だったと諦める覚悟持って出かけることにす

っか、ってなんだか悲壮な気分も味わったりしている今日この頃だ。

そういえば、きのうの昼間は東京シティマラソンがあってテレビ中継されてて、これも

テロの可能性も指摘されて厳戒体制だったようだけど、毎回膨大な応募者が抽選もれし、

抽選に受かった者は嬉々としながら参加料まで払ってあんなきついランニングやってる

の見てると、危機感よりも、平和とか、呑気とか、いろんなイメージが浮かんで来るわ

けで、多分人は危機がすぐ隣に来てても自分とは無関係と思うもんなんだろう。


戻る