思いつくまま、気の向くまま
  文は上一朝(しゃんかずとも)


シャンせんせいのガンリキエッセー。
センセー、女性の有能さへ、苦言風賛辞のようです。



おんなっていうやつは…


十年以上つづくあつまりがある。

それは、クラス会、同窓会、OB会、県人会などという冠をもたないあつまりだ。

メンバーはというと、来し方の自慢話か孫のはなし、あるいはさびしくなって、亡夫亡妻

の話しがしたいのだが照れくさくてできない、という年ごろである。

冠をもたないので顔ぶれはいろいろだ。ときには初対面にちかい人もいる。

このような集まりの場では、男は九割九分昔の自慢話をする。それは職場であったりちい

さな金儲けであったりする。まあぶなんなのが趣味の話しなのだがそれもまわりに同好の

士がいなければやがてあきられる。

時をかさねると男どもは話題につまり、おなじ話にあきてしずかになってくる。そのよう

になる十数年のあいだ、おんなどもはニコニコとだまって男どもの話しにあいづちをうっ

ている。

やがて時がきたとばかりに、その静けさをまっていたかのようにおんなどもがうごきだす。

「じつはね」というまえおきではじまる話ははんぱではない。なかには金をとって人にみ

せるくらいの芸をもつものもいる。

おんなどもがもつ趣味、教養、たしなみはすごい。このあいだもそのうちのひとりが場を

さらってしまい男どものどぎもをぬき、鼻毛をぬいてしまった。

このようにあふれんばかりの素養をもちあわせているのなら、なぜもっとはやく披露して

場をもりあげてくれないのか。そうすれば男どもは持てるものをはきだし、なをかつそこ

をついた話題で恥をかかなくてすんだのに。まったく、おんなっていうやつは…


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