ジンジャーに魅入られる
「花が咲くとすごくいい匂いがするのよ」という触れ込みでお隣さんから分けてもらっ
たジンジャーが次々と花をつけ始めた。
シンプルなカトレアのような花で私の好きな真っ白な色。
早速2本を切り花にして部屋に活けてみると、その香りは甘すぎず、すっきりしていて
色に例えれば紫の入ったブルー系かも。何やら人の気持ちをふわふわと夢見心地にする
ような魅惑的でとても強い。
こちらは観賞用だけれど、ジンジャーというからには食用なら当然あの生姜なので、だ
からこれほど香りが強いのだろうか…
とにかく家中がジンジャーの香りが漂い、いつもと違う贅沢な時間が流れているようで
幸せ感いっぱいだ。
とにかくたった2本の花の存在感たるや圧倒的で、清楚な白でたおやかな風情なのにそ
の蠱惑的な香りで、「見て! 見て! 私はここよ! まさに生きているのよ、凄いで
しょ!」と叫んでいるかのようだ。そのしたたかな匂いゆえに、私はすっかりジンジャ
ーの魔法にかかってしまってしまい、今のところジンジャーのひたむきさが可愛いくて
仕方がない。いつもジンジャーのことで頭がいっぱいになってしまい、こんな一文を書
く始末。香り恐るべしだ。
いくら花が豪華でも目を閉じれば視界から消える。香りがあれば目を瞑っていてもその
存在は消えず、その香りゆえにイメージがいくらでも目に見えるように広がっていく。
最近文化的生活とは限りなく無臭に近い生活を指すようだけど、素敵な香りというのは
余裕であり、さらに贅沢で豊かなことなのではないか。
そういえば女性のおしゃれは最後は香水で仕上げるのだという。おしゃれの本場フラン
スではファッションとともに香水が発達したのもうなづける。 |