9/22のねこさん       文は田島薫

つーとん3号が来た


昨日の午後ふと2階の居間から庭の雑草園を見ると昔都内にあった事務所の常連だった

つーとんに似た体がグレーのぶちで足が白い子供のねこさんがのっそりと入って来たと

こだった。ねこさん、不思議にこっちに気がつき見上げてるんで、よ、って手を上げて

あいさつしてやったら、いつの間にかわきに来てた家人も、ねこさんに向かって、よ、

って手を上げた。ねこさん、しばらくこっちを見ながら固まってから、やがて気を取り

直したように視線をはずし、何歩かゆっくり歩き、なんとなく体の向きを道路の方へ戻

してから、そばの物置きの足下に何か見つけたらしく、抜き足差し足で近づいて鼻をつ

けてにおいかいでる体のまま平行移動。そのまま物置きの裏をまわって道路に出て行っ

て見えなくなった。


や〜、草いっぱい生えたとこだ、山だ山だ、入ってってみよう、ん?なんだか、だれか

に見られてる気がすんだけど、おっかし〜な〜、山ん中になんかいるのかな、向こうの

方に、って見上げてみっと、いたいただれかがこっち見てるぞ、やばいっ、お、手上げ

て笑ってるぞ、ふたりして、無気味だな〜、あ〜やって、ぼくを呼び寄せてから、食っ

てやろ〜、って思ってんのかもしんないな、でも、ここで慌てて逃げたらだめなんだ、

ゆっくりと、ぼくはそんなことに気がついてませんよ〜、って、感じで、ぼくは、ほら、

そこのすみっこにいる虫が気になってたとこなんですよ〜、って感じで、こ〜、自然に

向きを変えて、と、こういった姿勢で、ずりずりずり、と、こ〜、下向いたまま、出て

行って、も〜、道に出てるよな?、な?、お〜、やっとあの目から逃げられた。


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