7/22のねこさん       文は田島薫

大ミケだけいない


先週の木曜ごろの夕方、家人と近所のスーパーへ行った帰りの稲荷神社となりの家の前

に奥の家の奥さんがほうき持って立ってた。雨が降りそうだったんでもってたのにけっ

きょく降らなかった傘と買い物両手に持ちながら、狭い庭のぞくと、ここんとこ見えな

かったグレーとミケが仲良く発泡の箱ん中にいてこっちを見てる。逆にいつもそこにい

たでかい方のミケの姿がない。奥さんによると、最近来るようになった茶とらがいきな

り大ミケに飛びかかってかみついたり、追っかけたりしてて、さっきも大ミケは追っか

けられてった、って、奥さん茶とらのことを怒ってる。じゃ、今度茶とらに遇ったら、

こらっ、って怒っときます、って言ったら、石投げちゃってやって、ふりだけでいいか

ら、って。箱ん中のミケとグレーはこっち見てじっとしてるまま。


いや〜、びっくりしたね〜、久々にここの特等席、ぼくの分も空いてたもんで、よっこ

らしょ、ってくつろいでっと、あにきの、やめろー、って叫び声と、おばさんの、こら

ー、って叫び声がすんでそっち見てみっと、あにきがあのらんぼーもんに追っかけられ

て行くじゃね〜の、ぼくが、こ〜しやわせだな〜、って思ってる一方で、あにきはふし

やわせなめにあってる、つーわけで、世の中うまくいかないもんだね〜。しっかし、あ

にきはどこまで追っかけられて行っちゃったんだろーね〜。なんだか、こ〜、特等席に

いてもあんまり楽しい気分じゃないね〜、あ、おばさんとあの2人組もこっち見てなん

か言ってるよ〜だけど、とっても、そっち行ってつきあってやる気分にゃならないきょ

うこのごろなんだね〜、うん、心配で、あにきが、で、ちょっと眠くなってきたか〜?


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