思いつくまま、気の向くまま
  文は上一朝(しゃんかずとも)


シャンせんせいのガンリキエッセー。
センセー、ご自身のしぶとい病を世界に発表しました。



消費税でも草津の湯でも


まえの日とおなじように4月1日はやってきた。

いつもどおりになじみのコンビニへ。

これもなじみの奥さんに「高くなったね〜」

「だから言ったでしょ。箱はどうしますかって」品物をだしながらわらっている。

「そばにあるとね〜」いつもどおりの答えをした。


あくる日もコンビニへ。きょうは息子がレジをやっている。

「たいしたことないと思っていたけど、やっぱり高いね」

「そうでしょう。みなさんそう言いますよ。箱で買っとけばよかったのに」

「きのうもお母さんに言われちゃったけど、手もとにあるとね〜」

「それだったらいい方法があったのに…」

「なにそれ」

「3月中にお金をもらっておいて、4月になったらひと箱づつ渡すんです」

「なんだよ、そんないい方法があったのなら早くおしえてよ」


そのあくる日もコンビニへ。

「今月で、おさらばしようと思っていたけどやっぱり来ちゃう。どう考えても高いよ」

「そうでしょう、そうでしょう」と奥さんはとりあってくれない。

「なんだかお金の減りが早くてね。一年間でいくらになるだろう」

「そんなこと考えるなら、やめるしかないわね〜」とわらいながら品物をわたしてくれた。

やっぱりタバコはやめられない。


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