思いつくまま、気の向くまま
  文は上一朝(しゃんかずとも)


シャンせんせいのガンリキエッセー。
センセーから今回の選挙の見方をレクチャーその2。



時代を変えますか


小生の祖母は長命であったため、日清日露、大正大震災、第一次世界大戦、昭和大恐慌、日

中戦争、太平洋戦争、朝鮮戦争、ベトナム戦争、おまけにアポロの月到着まで時代の変化を

大人の目でしっかりとみてきた。

自分はどうかというと、先の大戦は子どもというより幼児であったが記憶に残る経験をした。

その後、戦後の混乱と朝鮮戦争。60年安保、ベトナム戦争、高度成長、経済の破綻、政治

の混乱とそれなりの時代の変わり目にたちあってきた。時代の変わり目というものはよほど

の混乱がないかぎり意識しないが、その伏線は日常にあった。


今回の衆院選は本来なら国家の根幹にかかわる事案を国民に問わなければいけないのに、自

民党は経済をテーマにした選挙にすりかえ、対案を持たない野党はその作戦にのせられ迷走

をしている。

乱暴なことをいえば経済政策なんていうものはだれにでもできる。しかし、今回の選挙で問

わなければならないのは内閣総理大臣安倍晋三にしかできない「アベノミクス」という煙幕

に隠された憲法改正を目的とする諸政策である。


安倍首相の考えは右傾化といわれているが天皇君主制にするとでもいうなら右傾化だろうが、

首相の目指しているものは政府の意のままに国を動かすことができる軍備をもった統制国家

ではないかと思う。

特定秘密保護法成立いらい世の中は確実におかしくなっている。それは政府の意向に過剰反

応をして憲法九条や反戦にかかわる団体に施設を使わせない自治体がでてきことでもわかる。

また、放送許認可権をたてに自民党がTV局に出した「公平中立な報道」の要請など言論統

制に近いゆるやかな脅しが国民生活に暗い影をおとしはじめている。

そのうえわるいことに権力に歯向かうことをせず自粛だいすきな日本人は自分で自分の首を

しめていく。自民党の要請にだくだくと従うTV局に苦情がこない現状をみていると、時代

というものは国民の政治への無関心が変えていくことがわかる。


古い話しになるが、10歳ほど年下の人に60年安保のデモに参加したことを話した。そう

するとまるで前科者を見るような目で「シャンさんデモに参加したんですか」と聞いてきた。

聞かれたこちらがおどろいて「おかしいかい」と聞くと「高校のとき、先生から60年安保

のデモに参加した人は悪人だと教わりました」といった。もし自民党が単独過半数をとれば

かならずこのような時代がくる。

今回の衆院選に安倍首相が望むものは数である。小泉郵政選挙と同じで、よけいなことを考

えずに自分の政策に賛成してくれる議員を集めることだ。それは各候補者が約束した政策は

どうでもいいということになる。今回の選挙は、目先の問題を解決するための選挙ではなく、

国の方針を決める選挙であることを忘れないでもらいたい。


以下はまったくの与太話し。

アベノミクスが進むとますます経済格差は固定化し、上にあがれなかった国民は非正規雇用

にあまんじなければならなくなる。しかし、人はだれしも安定をもとめる。そうなると自衛

隊員になる若者が増えるのではないだろうか。まだ徴兵制度は口にできない安倍政権とすれ

ば、アベノミクスは自衛隊の定員不足を解決する妙手ではないのか。


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