12/22の日記          文は田島薫



奥の家のおやじさんの死と買い出しと窓洗いと災い


わが家の奥の家は2世帯住宅で、わが家よりひと回り若い夫婦とその両親が住んでいて、

われわれと顔合わせるとにこやかにあいさつを交わす関係で、両親のおやじの方は80

前後といったとこで、車の運転したりしてたのが、1年前ぐらいからモーターつき車椅

子を使い出してて、先週の日曜にわれわれが投票に行った帰りも、向こうからこれから

それに行く車椅子のおやじさんが奥さんや子供につきそわれて来て、あいさつしたわれ

われに、寒くなったね〜、って元気な声で言ったばっかりだったのが、翌月曜の朝、救

急車両が来て、担架に乗せられて行き、間もなくに亡くなったらしいことがわかった。

うちの両親もそうだったんだけど、人の老化や衰弱は予想に反して急激に来ることもけ

っこう多いようだから高齢者はだれでもその覚悟を持って養生した方がきっといい。

木曜の午後は、ナッツやショーガや昆布なんかを買いに家人とアメヨコへ行き、また家

人主導で秋葉原方向へ少し足を伸ばし、ガード下開発のクラフト作家たちの店がならん

だとこにある小さなコーヒー店でコーヒーを飲んだ。

土曜は小雨模様の中、家人と歩いてマーケットへ行き、正月中の魚や野菜も買っとかな

いといかんかと店員に仕入れはいつまでかと聞くと、29日、と言うんで、ほどほどの買

い出しで済ますことができた。

日曜は、翌月曜から後ずっと気温が下がる一方だという天気予報を聞き、窓ガラスの掃

除をやってしまうことにした。

2階の居間の窓から長い柄つきのスポンジで洗い、家人が雑巾拭きって手順で次々とや

ったんだけど、その過程で、こわれかかってはずれた網戸を2階から下へおっことして

しまい、これが後で家人からの大悲嘆の元になってしまった。今朝、歯をみがいてると

外から家人の悲痛な声が響いたんで、急いでかけつけてみると、大事に育ててたたった

1本のローズマリーが元のとこからぽっきり折れてるのに気づいたらしかった。

私はその周囲で作業してて全くそのことに気がついてなくて、言われてはじめて、あり

ゃ、そーだったかー、って鈍感さ。じゃ、ばらばらにして挿し木にして増やしちゃおう、

災い転じて福となす、って説得がそこそこ効いて、家人にもなんとか笑顔が戻った。


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