10/27の日記          文は田島薫



アメ横から谷中を抜けた


きのうの日曜の午後は、家人と切れたナッツ類の買い出しにアメ横へ行こう、って

ことにして、家人が洗い物してる間に私は自転車でホームセンターへ行き、先週合

わなかった玄関カギのネジの問題点を確認、けっきょく台座のうらのナットが中途

半端になってたことがわかった。カギ部分のピンを抜いたら全部バラバラになって、

ちょっと慌てたんだけど、なんとか1時間足らずでナットも補足し組み立てた。

おかげで2時をまわって家人と出かけ、御徒町で下り、ナッツやその他けっこう大

量の買い物を済ませてから、広小路を抜け上野公園に入って行くと、外国人や家族

連れがたくさん歩いたり、あちこちの街頭芸を囲んでいた。

その頃はもう4時も回る頃でそろそろ帰り支度の人々と、もうちょっと夕方の憩い

を楽しもう、って人々がいて、しばらく来ないうちに公園内にできてたコーヒーの

チェーン店は行列ができていた。

噴水は少し縮小したんじゃないか、って家人が言うんで、そうかもしれない、って

言いながら、私の記憶は曖昧で、家人が言う幻の噴水跡で盆栽展をやってたんだけ

ど、われわれは自然にスルー。

博物館の手前で左折し、木々の中の道を抜け、灯りをともしはじめた美術館や、コ

−ヒ−店にでけっこう人が集ってるのをスルーしながら、私は、これらはいつの間

にできたんだろう、って思ったんだけど、考えてみたら、この道歩いて通るのは数

十年前の受験の時以来かもしれなかった。そんな芸大の前を通って次の通りの向こ

う角に家人がたびたび仕事でこっち来た折にちょっと休憩してた小さな老舗和菓子

店があり、家人の主導で入店し、小さなまんじゅうと抹茶を注文して休んだ。

そこから谷中方面へ歩き、路地を抜け谷中銀座の入口の方をながめた時、ちょうど

空は夕焼けだった。

そばのコンビニで家人はコーヒー、私は缶ビールを買い、墓地わきの鋪道のへりに

腰掛け、人々の行き来をながめ夕焼けを感じながらそれを飲んだ。


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