10/14の日記          文は田島薫



また台風が来る前日に映画行った


先週に引き続き今週の休日月曜も台風予報だったもんで、それまでにどか出かけな

くちゃ、って妙なアセリ(?)があって、家人主導で日曜の午後映画に出かけた。

家人が好きなリチャード・カーチス監督の新作「アバウト・タイム」。

歩いて2〜30分かかる大きな方の駅前のパルコにある映画館、日曜だけど、作品が

地味だから混んでないはず、って意見一致して10分前ごろ着いたら、もう席は前か

ら2番目の端か、1番目の中央より、のどっちかしか空いてなかったもんで、1番前

でスクリーンを見上げて観た。

過去へ時間移動できる能力もった家系の息子が、何度も失敗を修正しながら恋人を

獲得する、ってアイデア、で、その主人公や周囲の人間の失敗が実際にありそうな

もんで、それによって事態が悪くなるんだけど、それをうまくやり直すおもしろさ

は、なかなか楽しめた。けっきょく、その逆説的なテーマは、一生懸命やっても失

敗はあるかもしれないけど、人生はやり直しがきかないんだから、とりあえず、一

瞬一瞬を大事に生きろ、って。うるせ〜な、お〜きなお世話だ、って言ってもい〜

んだけど、まあ、反論する必要もない真理、ってことになりそ〜で、たしかに、当

たり前のようなことだけど、平凡な日常の大切さ、ってもんをわれわれは忘れ勝ち

になるから、って、言って、それを意識し過ぎるのもなんだかぎこちない堅苦しい

もんになりそうだから、うるせ〜、って言いながら、頭のすみに全くその通りなん

だよな、ってメモしとけばい〜んだろう。

で、家人は入口でコーヒーを買い、私はクーラーバッグにビール入れて持ってった

んだけど、以前早めにビール飲んで映画の後半にショーベン我慢大会の余興が追加

されたことがあったもんで、最近は慎重になり、始めにトイレ入り、飲むのは映画

の終盤1時間以内、ってことに決めてその通りにするつもりが、時間になっても飲

む気になんなかった。私のとなりの席まで混んでてて落ち着かなかったせいもある

んだけど、どうも、観てるスクリーンの中でだらしなく失敗する人生をどんどん修

正してしまうことを楽しみながらも、どっか、酒を飲む雰囲気とは違う居心地の悪

さも感じてたようで、ひょっとすると、ダメな人間が修正できない失敗してるのを

観ながら、そ〜ゆ〜ことあるよな〜、って思いながら飲みたかったのかも。


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