10/14のねこさん 文は田島薫
チビミケかたまる
日曜の午後、家人と最寄り駅より大きい遠い方の駅前のパルコにある映画館へ出かけた
時、途中の路地のこぎれいな家の前の駐車スペースらしきコンクリの道よりんとこに、
ちいさいミケねこさんが前足を平たくして座っていた。われわれは、お、よ、って手上
げてあいさつしてながめながらそばを通り、ちょっと行ってからふり返ると、ねこさん、
いつの間にかスペースの奥へ同じ姿勢で移動してて、こっちをずっと見てた。
いやいや、おじさんやおばさん、ここにあった箱に乗ってどっか行っちゃったね〜。
ぼくはひとりでここでみんなの帰りを待ってなくちゃいけない、ってことなんだろか。
ま、もう、ごはんもらったし、い〜んだけどね。いつもは、ぼくの方が遊びに行っちゃ
うから、おじさんやおばさんはいつも家にいて、ぼくが帰って来るのをいつも待ってて
くれてんのかと思ってたんだけど、先にどっか行かれちゃうと、なんだか、ぼくは遊び
に行けないよ〜な感じんなっちゃうね〜、きょうはぼくが待ってる番なのかもな。さて、
しかし、こんなとこに座っててもちっともおもしろくないよな〜。おっと、だれかが、
ぼくのそばを通るね〜、なんだか手上げて歩きながら見てやがるぞ。やばいっ。こんな
とこに座ってるばやいじゃなかった、しかし、びっくりして、動けなかったな〜、さっ
きは、こっちへ逃げといた方がい〜ね、きっと、ほら、またこっち見てる、あの2人組、
やばいね〜、引っ返して来たら、あっち逃げればい〜んだな。こらっ、来るなら来い。