思いつくまま、気の向くまま
  文と写真は上一朝(しゃんかずとも)


シャンせんせいのガンリキエッセー。
センセーも、だれもがあきれないわけがない、まさかの出来事。



当世じぇじぇじぇ事情


暑さ狂いの続きを書くつもりでいたが、涼しくなってしまったのでやる気が失せた。

かわりになにを書こうかと考えながらボヤっとテレビのニュースを見ていたらとんでもな

いニュースが伝えられた。


鹿児島空港と上海を結ぶ中国東方航空の定期便の客足が減って大変らしい。

そこで鹿児島県知事殿が考えたのが、県費1億2000万円を投入して、県職員と教職員

延べ1000名を上海研修旅行に行かせるということだ。

結果定期便の利用率は30パーセントのところが75パーセントになった。

そもそもこの珍案の発端は、鹿児島‐上海間の定期便の利用客が減ると廃線になってしま

うということにある。地方のローカル空港にとって国際線はステータスなのだとか。

そこで知事殿考えた。県が補助金を出すわけにはいかない。しかし、県職員が利用するな

ら文句あるめぇと。


だが、好事魔多し。たちまち県民から文句がでた。

すると知事殿胸をはって「震災復興資金のために国家公務員の俸給が減額された。地方自

治体の職員の給与が高くてはカッコがつかない。地方自治体も協力してくれと国がいって

きた。わが県も一人平均19万円の給与減額をおこなった。それによって浮いた予算を県

職員に還元したまでだ」という趣旨の発言をした。実態は職員一人当たりの研修費12万

円を支給したうえ、ごていねいに一日7600円の出張手当というお小遣いまでくれる。

これを聞いた県民が怒ったね。

「これでは減俸になってない。それに上海まで出かけてなんの研修をするのか!」と。

これを聞いた知事殿が言う事にゃ、「研修の結果がすぐにでるとは思っていない。だが、

将来県職員にとってかならずプラスになる」と。


テレビの画を追うと、県民の税金に“おんぶにだっこ”のご一行さまは、上海に着くとま

ず日本領事館へ向かう。そこで現地旅行社の作った観光パンフレットをわたされそのスケ

ジュールどおりに動く。日本の旅行社ではなく現地旅行社というところが泣かせるな。

上海市内を視察するご一行様。テレビクルーが付いているので買い物ができないのがかわ

いそう。つぎに向かったのが小学校。ところがあいにく夏休みで授業参観はできない。

と、見ていると腹がたつことばかり。


しかし、もの事は考えかたしだい。

人様のものを屁理屈つけてぶんどる方法。(なんといっても島一つ持っていこうという国

なのだから)。自国の都合にあわせた歴史教育の方法。(これについてわが国はあまり威

張れたことではないが)などなどを学ぶ立派な研修旅行になりますな。


この上海研修旅行、10月以降は中止だとか。行かれなかった人かわいそう。

なんとも“じぇじぇじぇ”の響きにピッタリとくるお話しではありませんか。


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